2008年07月27日

3

「千早は春香と君のプロデューサーとどっちが好き?」
「え? あの…」
「例えば、の話だよ」
「例え話であっても、私は春香とプロデューサーを比べることはできません」
「うんそうだよね。好きという感情はいろいろな種類はあっても比べられるものじゃない」
「はい」
「けどね、『今この時』を共に過せるのはたった一人だ」
「……そう、ですね」
「時は有限で、体は一つしかない、まして俺は才能に恵まれているわけじゃない。優先順位をつけないと結局なにも、出来ずに終わる」
「優先順位をつけて仕事をこなす事と、たった一人を選ぶ事では意味合いが違うように思いますが」
「でも伊織はそれを求める。伊織は自分がオンリーワンであることを、『特別な人』には求めるんだ」
「……」
「独占欲が強すぎるって事にいつか気付くと思う。でも今は彼女の求めに応えてあげたい」
「それで専属Pになられたのですね」
「だから予定していた仕事も全部延期だ」
「よくわかりました」
「申し訳ないね」
「とてもよく納得できました」
「?」
「さっきから伊織がこっちを睨み付けているのは、そういう事なんですね」
「あはは…」

posted by tlo at 09:03| ある日の風景的な何か